【スタート】〜治療家独立物語〜7 弱者の戦略を学べ

Uncategorized

こんにちは!赤羽です。
レンタルサロンsimple(西荻窪・三鷹)と上井草すまいる鍼灸整骨院を運営している鍼灸師・柔整師です。
このブログは治療家(鍼灸師・柔整師・あマ指師・整体師等)が成功するための情報を発信しています。

10年前に独立した時に

「知っておきたかった!」

「知らなくて損した・・・」

という情報を、失敗も含めて包み隠さず出しています。

ストーリーで学ぶ独立開業をシリーズで書いています。

最初から読みたいと思ってくれた方はこちらよりお願いします。

スタート1

前回は「大手とは戦うな」というテーマで、ネット広告の仕組みと大手との圧倒的な規模の違いを学びました。

今回はその続きです。

私の知識と経験を全てまとめていきますので、読んでいただけると嬉しいです。

一緒に学んで成功に近づいていきましょう!

この章で学べること

・弱者の戦略「ランチェスター戦略」の基本を知る

・大手が取れない”一点集中”の強さを理解する

・孫子の兵法に学ぶ「土俵を選ぶ」という発想

・個人院が勝てる場所の具体的な見つけ方

ランチェスター戦略とは

おかわりのビールが届いた頃、橘がまた話し始めた。

「じゃあ、弱者の戦い方について話そう。瞬介はランチェスター戦略って聞いたことある?」

「なんか名前は聞いたことあるかな・・・? 正直に言うと内容は全然知らないです」

「もともとは第一次世界大戦のイギリスの航空工学者、ランチェスターという人が考えた軍事理論なんだ。それを日本のビジネスに応用したのが田岡信夫という人でね、今では中小企業の経営戦略として広く使われている

「軍事って戦争の話ですよね。それがビジネスに使えるんですか?」

「戦争もビジネスも、限られた資源でどう戦うか?という問題は一緒だからね。特に力の差がある相手にどう立ち向かうかという点ではピッタリ当てはまるんだ」

橘はまた紙に書き始めた。

【ランチェスターの第一法則】

戦闘力 = 武器の性能 × 兵力数

「これが弱者の法則とも呼ばれる。兵士が一対一でぶつかり合う、接近戦の世界の話だ」

「一対一・・・」

「武器の性能が同じなら、人数が多い方が勝つ。でも一対一なら対抗できる。【弱者は一点に集中して、局地戦で戦え】というのが基本の考え方なんだ」

「一対一っていうと、侍が向かい合って勝負するみたいなイメージですか?」

「そう。それ!真剣を持っている侍と木刀の侍が戦ったら、真剣の方が勝ちそうだよね」

「そりゃそうですね」

「武器の性能差が10倍あったら、敵兵が10倍いてもいい勝負ができるんだ」

「確かに木刀10人と真剣一人だったらいい勝負かもしれないですね」

「これが弱者が取るべき戦い方なんだ」

「強者はどうするんですか?」

「強者には強者の法則がある」

橘はその下に続けて書いた。

【ランチェスターの第二法則】

戦闘力 = 武器の性能 × 兵力数²

「強者は兵力を二乗で活かせるんだ」

「二乗ですか!?」

「広い戦場で、数の力で圧倒するんだ」

「一対一ではなく、全体攻撃をするんですね」

「だからさっき言った大手のやり方【広いキーワードに広告を打って網を張る】はこれに当たる」

瞬介は少し頭を整理しながら聞いた。

「つまり弱者が強者と同じ広い戦場で戦ったら、数の二乗でやられてしまうということですね」

「戦争なら兵士数だけど、ビジネスでは資本力が兵士数に該当するね」

「ただでさえ資本力なんて大手と比べ物にならないのに、二乗されたらどうやっても太刀打ちできないですね」

「そういうことだね。瞬介が広告費10万円使ったとしても、同じ内容で大手は500万円は使う。計算しやすいように瞬介を10、大手を500として二乗すると、瞬介は100、大手は250,000になるんだ」

「50倍の金額差だったのが、2,500倍になるんですか!?」

「そう。これが大手の土俵で勝負してはいけない理由だよ。だから弱者は絶対に広域戦を避けて、一点に絞った戦いをしなきゃいけないんだ

「具体的な数字を見せられて、納得しました。勝てるわけないですよね。」

「これがランチェスター戦略の核心だよ。絶対に忘れないようにね」

弱者が取るべき戦略

そこでスミレが口を開いた。

「私が開業した時もそれを意識したの。最初からなんでもやろうとしなかった」

「どういうことですか?」

「私の院では最初は”40〜50代の女性の慢性的な首肩こり専門“ってうたってたの。当時は症状で絞っている所は珍しかったし、周辺にはターゲットを絞ってる院はなかったから」

「でも、それだと来てくれるお客さんが限られませんか?」

スミレは軽く笑った。

「逆なのよ。絞れば絞るほど、その人に刺さるの」

橘が続ける。

「一般的に、人は”なんでも屋”より”専門家”を信用する。ラーメンが食べたければラーメン屋に行くだろ?ファミレスには行かないし、なんでもある定食屋にも行かない。」

「確かにそうですね」

「治療院も同じだよ。”どんな痛み、辛さでも対応します!”って院と、”40代50代の慢性的な肩こりを根本から変える”って院、どっちが肩こりで悩んでいる40代の心に刺さると思う?」

「後者ですね……」

「大手は全員に対してメッセージを出さなきゃいけない。だから広くなる。でも個人は特定の誰かに向けてメッセージを出せる。それが個人の強みだ」

橘はさらに紙に書き足した。

弱者の戦略まとめ

  • 狭い市場に絞る(ニッチ化)
  • 特定のターゲットに絞る(ペルソナ設定)
  • 得意なことに一点集中(専門特化)

「この3つを組み合わせると、大手には真似できない【自分だけの土俵】ができる。そこなら生き残れる。」

瞬介はメモを取りながら、自分のことを考えた。

自分の得意なことはなんだろう?

誰に一番価値を提供できるだろう?

まだ答えは出なかったが、考え方の地図が手に入った気がした。

孫子の兵法に学ぶ「戦わずして勝つ」

「実は孫子の兵法にも同じことが書いてある」

橘はスマートフォンを取り出して画面を見せた。

「孫子の有名な言葉でこういうのがある」

「百戦百勝は善の善なる者に非ず。戦わずして人の兵を屈するのが善の善なる者なり」

「戦って100回全部勝つのが最善じゃなくて、戦わずに相手を倒すのが最善ということだね。ビジネスで言うと、【競合と直接ぶつかる前に競合がいない場所を選べ】ってことだね」

「戦わずに勝つ……」

「大手と同じ広告、同じターゲット、同じキーワードで戦うのは、進んで消耗しに行くようなものだ。でも大手が見向きもしていない小さなニーズ・小さな地域・小さな悩みを拾いに行けば、そこには競合がいない」

スミレが付け加えた。

「実は、大手って意外と小さいターゲットは取りにいかないのよ。効率が悪いから。でもそこが個人が生き残れる場所になるの」

「そういうニッチな場所って、ちゃんとお客さんが来ますか?」

「市場が小さくていいんだよ、最初は」

橘がはっきり言った。

「一人開業だったら月に数十人が来てくれれば、十分に成立する院はたくさんある。全国に届けなくていい。近場で自分の悩みを解決してくれる院を探している人だけに、見つけてもらえれば十分なんだ

「そういう視点で考えたことなかったです」

「大きく考えたくなる気持ちはわかる。でも最初に一点突破した人だけが、後から広げられる。最初から広げようとした人は、どこにも刺さらず埋もれていく」

実際の個人院への落とし込み方

「じゃあ実際、どうやって自分の”戦う場所”を決めればいいんですか?」

瞬介が前のめりになって聞いた。

「まず3つの軸で考えてみよう」

橘は指を折りながら言った。

① 得意なこと・好きなこと

「技術でも、接客でも、コミュニケーションでも何でも良い。自分が苦もなくできることは何か?」

② お客さんが一番困っていること

「”腰が痛い”じゃなくて、”腰が痛くて赤ちゃんを抱っこするのが辛い30代のお母さん”のように、具体的な困りごとのレベルまで落とす」

③ 周りにそれをやっている院が少ない場所

「自分と同じ商圏で、同じターゲット・同じ専門性を掲げている院がないか調べてみる。少なければ少ないほど、戦わずして選ばれやすい」

「この3つが重なる場所が、瞬介のスタート地点だよ」

瞬介は黙って考え込んだ。

自分の得意なこと。

お客さんが本当に困っていること。

周りにない専門性。

「……今すぐは答えが出ないですが、考え方はわかりました」

「すぐ出なくていい。でも答えを出そうとし続けることが大事だ。考えながら動いていると、ある日ふっと見えてくる」

スミレが微笑んだ。

「私もそうだったわ。最初から決めて始めたわけじゃなくて、動きながら気付いたの。来てくれるお客さんが教えてくれたって感じかな」

「来てくれるお客さんが……?」

「そう。副業の段階でもわかると思う。来てくれている人達を見てると、よく似たタイプの人が集まっている。自分が提供したサービスを喜んでくれている人達が残っているのだから、そこが自分の得意なニッチなのよ」

瞬介は少し救われた気がした。

最初から完璧に決めなくていい。

動きながら、お客さんに教えてもらいながら、少しずつ自分の戦う場所を見つけていけばいい。

「戦う場所を選ぶ——それだけで、だいぶ戦い方が変わりそうですね」

「変わるよ。それが全部の起点になる。戦う場所を間違えると、いくら頑張っても消耗するだけだからな」

橘はグラスを置いて、すこし真剣な表情になった。

「今夜話したことをちゃんと消化してきてみて。次は具体的にどう自分を知ってもらうか——”見つけてもらう仕組み”の話をしよう」

「はい。ありがとうございます」

瞬介は深くうなずいた。

大手に勝つ必要はない。

戦わなくていい場所を選ぶ。

そして、その場所でたった一人の専門家になる。

それがスタートラインに立つための考え方だった。

まとめ

・弱者は正面対決を避け、一点集中で戦う(ランチェスター戦略)

・大手が取れないニッチなターゲット・地域・専門性を選ぶ

・孫子の兵法「戦わずして勝つ」=競合のいない場所を選べ

・自分の戦う場所は「得意×お客さんの困りごと×競合の少ない場所」の重なり

・動きながらお客さんに教えてもらい、少しずつ自分のニッチを見つけていく

コメント

タイトルとURLをコピーしました