【スタート】〜治療家独立物語〜6 大手とは戦うな

独立教科書

こんにちは!赤羽です。
レンタルサロンsimple(西荻窪・三鷹)と上井草すまいる鍼灸整骨院を運営している鍼灸師・柔整師です。
このブログは治療家(鍼灸師・柔整師・あマ指師・整体師等)が成功するための情報を発信しています。
10年前に独立した時に「知っておきたかった!」「知らなくて損した・・・」という情報を、失敗も含めて包み隠さず出しています。

ストーリーで学ぶ独立開業をシリーズで書いています。

最初から読みたいと思ってくれた方はこちらよりお願いします。

私の知識と経験を全てまとめていきますので、読んでいただけると嬉しいです。

一緒に学んで成功に近づいていきましょう!

この章で学べること

・個人が起業する時は大手と同じ土俵に立ってはいけない

・大手との規模の違いを正しく理解する

・ネット広告の仕組みを知って、正しく活用する

・自分の正しい戦い方を考えよう

弱者のマーケティング・大手のマーケティング

瞬介は居酒屋で会社経営者の橘と鍼灸院経営者のスミレといっしょに話をしている。

経験豊富な2人からのアドバイスをもらえる環境に瞬介はワクワクが止まらない。

そんな嬉しい状況ではあるが、ビジネスで成功している二人と比べて自分だけまだ何も達成していないという焦りも瞬介は感じていた。

『でもこんなチャンス滅多にないんだ。遠慮しないでどんどん聞いていかなきゃ』

と心を決めて、前から絶対に聞こうと思っていたことを切り出した。

「新規の患者さんの集客ってどうしたら良いんでしょうか?今のところ来てくれるのは前からのつながりがある数人だけなんで、新規を増やしていかないとだとは思っているんですが・・・」

「確かにそうだね。せっかく独立するんだから新規を増やさないとね」

橘は優しく言い、それから瞬介に質問した。

「瞬介はどんな方法で新規を獲得しようと思ってるの?」

「そうですね。今まで勤めていた所でやっていた方法やよく目にする同業他社の集客法なんかを参考にして、自分なりに考えてはいます」

「お、いいね。ちゃんと考えてるね〜。で、どんな方法かな?」

「いくつか考えているんですが、Google広告やSNSとかですね。あとはチラシをポスティングしようと思っています」

「なるほど」

「Google広告は今キャンペーンやっていて6万円広告費を使うと、6万円分のクーポンを貰えるらしいです。半額でできるってことですよね?」

「あ〜。確かにそういうキャンペーンあるよね」

「最初はやっぱり広告費とかをかけてかないとかなと思っているんです」

「たしかに一般的には最初は広告費をかけたほうがいいと思われているよね。でもそれは大手のやり方だよ。あまりおすすめしないかな

「でも今まで勤めていたところでもやっていたし、周りの整骨院や整体院でもやってますよ」

「瞬介の勤めていたところは都内に何店舗かあるグループだったよね。それに周りの整骨院とか整体院っていうのも大手なんじゃないかな?」

「そうです。勤めていたのは10店舗のグループでした。あとネット広告でよく見るのは全国展開しているグループですね」

そういう所とこれから瞬介がやろうとしている鍼灸院じゃ規模が全然違うよね。そこと同じ方法で勝負したら勝てるわけないと思わない?巨大戦艦に公園のスワンボートで突撃するようなものだよ」

そう言われて瞬介はハッとなった。

確かに勤めていた所は施術者だけでも50人近くいたし、受付や補助をしてくれるパートさんを入れたら100人以上の規模だった。

広告でよく見る整体院は全国で数百店舗あるところだ。

【整体院グループ】
りらくる:約600店舗
カラダファクトリー:約300店舗
てもみん:約60店舗
Re.Ra.Ku/ラフィネグループ:約500店舗
【鍼灸整骨院グループ】
アトラグループ:約150院
GENKIDOグループ:約120院
クラシオングループ:約190院

chatGPT調べ

確かに広告でよく見るような所は数十店舗あるような大手が多い。

それだけ店舗のある企業なら広告費もかなり使えるのだろう。

それに比べて自分の予算はたった数万円。

確かにちょっと厳しい気がしてきた。

そんなことを考えていたら、スミレさんが話しかけてくれた。

「今の話を聞いていて一応調べてみたけど、Re.Ra.Ku/ラフィネを経営しているメディロムというところの2024年広告費は1.5億円だったみたいね」

「1億超えですか!そんなに使ってるんですね」

「他の所は広告費として公表していないからわからないけど、おそらく数千万円は使ってるみたいね」

「確かにそんなところと同じ土俵に立つのはちょっと厳しいですね」

それを聞いていた橘が話しだした。

「瞬介はネット広告の仕組みはわかる?」

「あまり詳しくは知らないです」

「まあ普通に生活しているだけだと気付くことはないよね。じゃあ、インターネット広告の仕組みから説明するね。」

ネット広告の仕組み

「ネット広告ではオークション形式になっているところが多い。

「じゃあ、インターネット広告の仕組みから説明するね。」

橘はそう言うと、紙に大きく円を描いた。

「ネット広告って、ただお金を払えば出せるわけじゃない。基本はオークション形式で決まるんだ」

「オークション……?」

「うん。同じキーワード、同じ地域、同じようなお客さんを狙ってみんなが入札してる。
たとえば

【整体 三鷹】

【肩こり 整体】

【腰痛 改善】

みたいな言葉には、出したい院がたくさんある」

「そこで一番高いお金を出した所が勝つんですか?」

「ざっくり言うと近い。でも実際はもう少し複雑で、入札額と広告の質の両方で決まる」

橘は紙に書いた。

広告の強さ = 入札額 × 広告の質

「ただね、ここで勘違いしちゃいけないのは、質が大事とはいっても、予算差をひっくり返せるほど万能じゃないってことなんだ」

「えっ」

「小さな院が広告文を工夫して、大手より良いページを作って、多少有利になることはある。
でも、相手が何十店舗、何百店舗と持っていて、広告費を何千万円、何億円単位で使っていたら、現実にはかなり厳しい」

瞬介は苦笑いした。

希望のある話かと思ったのに、ずいぶんシビアだ。

橘はその表情を見て続けた。

「たとえば瞬介が月3万円の予算だとする。
1クリック300円なら、100回クリックされたら終わりだ」

「100回……」

「でも大手は、月に何十万、何百万と使える。同じ300円でも、1000回、3000回、1万回と試せる」

「試せる回数が全然違うんですね」

「そう。ネット広告で強いのは、単純にお金がある会社というより、何回も失敗できる会社なんだ」

瞬介はハッとした。

「失敗できる……」

「広告って、最初から当たることの方が少ない。
キーワードを変える、広告文を変える、画像を変える、ページを変える。
そうやって何度もテストして、やっと“勝てる型”を見つける」

「でも予算が少ないと……」

1回の失敗が重い。
3万円しかない人が1万円無駄にしたら、もう3分の1消えてる。
でも月300万円使える会社なら、1万円なんて誤差みたいなものだ」

橘は紙に書いたメモを瞬介に手渡した。

個人院:1回の失敗が致命傷
大手 :失敗しても改善しながら回せる

「しかも大手は、店舗数が多いからデータも集まる。
どんな広告がクリックされるか、どんな言葉で予約が入るか、どんな写真が反応がいいか。
その“答え”を大量に持ってる」

「たしかに、一店舗だけより有利ですね」

「圧倒的に有利だよ。しかもそれを分析するスタッフもいる。
瞬介が1店舗のデータを一人で月に数件、数十件の反応を見ている間に、大手は複数店舗で何千、何万件の反応を集めている。
つまり、資金力だけじゃなく、学習速度でも負けやすいんだ」

スミレが腕を組んだ。

「しかも大手は広告だけじゃないものね。
知名度もあるし、信頼もある。企業イメージもいいところが多い」

「その通り。広告オークションって、広告費だけの勝負に見えて、実はそうじゃない。
知名度、信頼、イメージ、アクセスの良さ、予約のしやすさ……全部が影響する」

橘は少し間を置いた。

「だから正直に言うと、
個人院が大手と同じキーワード、同じやり方、同じ土俵で戦って勝つのはかなり難しい
というより、ほぼ消耗戦になる。言葉は悪いが養分にされるだけだ」

「やっぱりそうなんですね……」

「うん。
“広告の質が良ければ勝てる”っていうのは半分本当だけど、半分は理想論だ。
現場では、予算の多い側が有利なのは間違いない」

瞬介は肩を落とした。

数万円の予算で何とかできると思いたかったが、仕組みを聞けば聞くほど厳しさが見えてくる。

弱者の戦い方

だが、橘の声はそこで少し柔らかくなった。

「でもね。
だからといって、個人が広告をやる意味がないわけじゃない」

「……どういうことですか?」

「大手と同じ戦い方をしなければいい。
勝てない理由がはっきりしてるなら、避ければいいんだよ」

「避ける?」

「そう。
大手は広く取る。
【整体】【肩こり】【腰痛】みたいな大きい言葉にお金をかけて、網を広く張る。

でも個人はそこに入ったら飲まれる。

だからもっと狭くもっと具体的に、もっと困っている人だけを狙う」

スミレが小さく笑った。

「網じゃなくて一本釣りね」

「まさにそれ。
数万円の広告で大手に真正面からぶつかるのは無謀。
でも、大手が拾いきれない小さな悩み、小さな地域、小さなニーズを狙うなら話は変わる」

橘は紙の端にこう書いた。

・広いキーワードは大手の戦場
・狭い悩みは個人の勝ち筋

「だからまず知るべきなのは、“広告を出せば勝てるか”じゃない。どこなら負けにくいかなんだ」

瞬介はその言葉を黙って見つめた。

予算が少ないことは、不利ではある。

でも、無理に大きな戦場に立たなければいい。

「つまり……勝つというより、負け方を間違えないことが大事なんです

「そういうこと。
小さい院は大手に勝つ前に、大手に食われない場所を選ぶことが先なんだ」

「今までそんなこと考えたこともなかった・・・」

「大手が流している大きな広告ばかりに目が行くのは当然だよね。でもこれから瞬介が学ばなきゃいけないのは弱者の戦い方だよ」

「弱者の戦い方……?」

「そう。弱者の戦い方を学ぶなら、ランチェスター戦略や孫子の兵法が役に立つ。

大きな相手にどう勝つのか。正面からぶつからず、どう有利な場所を選ぶのか。その考え方は治療院の集客にもそのまま使える」

橘はそう言ってグラスを持ち上げた。

「……と、その話を始める前に、まずはおかわりを頼もうか」

スミレが笑う。

「大事な話ほど、ちょっと肩の力を抜いて聞いた方が頭に入るものね」

瞬介は思わず笑った。

さっきまで感じていた焦りは、少しだけ薄れていた。

大手と同じことをしなくていい。

自分には、自分の勝ち方がある。

そう思えただけでも、この夜の学びは大きかった。

だが、橘の“講義”はまだ始まったばかりだった。

まとめ

・個人が起業する時は大手と同じ土俵に立ってはいけない

・大手との規模の違いを正しく理解する

・ネット広告の仕組みを知って、正しく活用する

・自分の正しい戦い方を考えよう

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