【スタート】 ~治療家独立物語~3 失ってきた人とのつながり

独立教科書

こんにちは!赤羽です。
レンタルサロンsimple(西荻窪・三鷹)と上井草すまいる鍼灸整骨院を運営している鍼灸師・柔整師です。
このブログは治療家(鍼灸師・柔整師・あマ指師・整体師等)が成功するための情報を発信しています。
10年前に独立した時に「知っておきたかった!」「知らなくて損した・・・」という情報を、失敗も含めて包み隠さず出しています。

ストーリーで学ぶ独立開業をシリーズで書いています。

最初から読みたいと思ってくれた方はこちらよりお願いします。

私の知識と経験を全てまとめていきますので、読んでいただけると嬉しいです。

一緒に学んで成功に近づいていきましょう!

いきなりまとめ

・顧客の引き抜きなどしなくても、名前だけ覚えておいてもらえれば検索して探してもらえる。

・退職が決まった位で仕事の手を抜くようでは、独立開業は難しい。最後まで手を抜かずにいることが重要。

・どの業界も狭いもの。同業者に冷たくすれば、いずれそれは自分に返ってくる。

詳しくはストーリーをどうぞ!

第3章 気づかないうちに失ってきた【人とのつながり】

瞬介は帰宅してからも橘と交わした会話の内容を思い出すと、ワクワクが止まらないままでいた。

瞬介はすぐパソコンを開き、転職サイトで求人を調べた。

求人票を見ると確かに施術者を募集しているところは多数あった。

しかし瞬介も院長として会社の求人活動にも参加しているので、内情はよくわかっている。

『この辺のグループ系整骨院や整体院は求人票に乗っている通りの勤務時間や休日日数は期待できないだろうな。それに一度採用したスタッフをそう簡単にやめさせないだろうから短期間だけ働くというのは無理だな。』

そんなことを考えると実際に時間を買うための転職というのはなかなか難しそうだ。

『この際思い切って、リラクゼーション店の業務委託契約という手もあるな』

安定はしないけど、出来高制で働くというのも時間を作るには有効な手段だと考えた。

『幸いまだ独身だし、手取りが減っても生活を切り詰めればなんとかなるだろう。』

思い当たるいくつかの求人をブックマークし、そこから先は翌日以降にすることにした。

翌日からの仕事中もこれから先のことを考えると、ワクワクが止まらなかった。

いつもなら昼休みはベッドで横になり、スマホでゲームやSNSを見てダラダラしていたが、あの日からは求人への応募やレンタルサロンを調べることに時間を使った。

そんな生活を1ヶ月ほど続け、辞める決意が固まり、瞬介は退職を申し出た。

退職する前に社長や幹部との面談が必要なのはわかっていた。今までは退職するスタッフに対して面談する幹部側だったのだから、どんな話をされるかは検討がついていた。

『引き止められるだろうし、もし辞めるにしても患者さんやスタッフの引き抜きをしないという誓約書を書く必要があるだろうな』

決意は硬いし、もちろん引き抜きのような不義理をするつもりもない。

でも今の時代、自分の名前さえ覚えていてもらえればいくらでも検索で見つけることができる。

患者さんには次にどこで働いているかを伝えなくても、その気になればいくらでも見つけてもらえる。

だから面談では会社が提示する退職時の条件を全て受け入れた。というか受け入れない限り話が終わらないのは今までの経験から熟知している。

この話し合いにより瞬介の退職は3ヶ月後に決まった。

それまでは手を抜くことなくしっかり仕事をするつもりだ。

この前、橘さんに相談したときも

「退職が決まると次のことばかり考えて、今の仕事に身が入らなくなる人が多い。でも自分のビジネスを持とうとする人が与えられた仕事位しっかりできていないようでは難しいだろうね。」

と言っていた。

だからそれまでは日常業務をこなしながら、引き継ぎをしっかりしていくことにした。

もちろん空いている時間は開業準備に使う。社長や幹部は退職することに対して否定的だったが、治療院のスタッフたちは協力的に応援してくれている。

昼休み中には興味津々に開業予定や転職先のことを聞いてきたり、引き継ぎを積極的に進めてくれたり、自分が調べてきた情報を教えてくれたり。

退職して働く場所が変わっても同じ業界にいることには変わらないんだから、辞めていく人に冷たくするようなことはしないほうがいいだろう。

今までの自分が退職する人に対してどのように接してきたか、瞬介は思い返してみた。そして少し心配になった。

『会社から辞めていく人間は裏切りものとして扱うように洗脳されていたような気がする。自分がその立場になって初めてわかった。辞める人に冷たく接すればその人との縁はそこで切れてしまうが、応援するように接すればそこからも縁は続いていくだろうなぁ。』

今までに退職していった人たちとの縁が続いていれば色々相談することもできたのに、多分自分は冷たくあしらってしまっていた。

『橘さんには相談できるけど、同業の人たちに相談できるチャンスを自分で潰してきたんだな。』

そんな後悔をしても仕方ないけど、この失敗を他の人がしないように伝えておこう。瞬介はそう決めてスタッフに感謝とともに伝えた。

人とのつながりが最高の資産になるということに今更ながら気づいた瞬介だった。

続きはこちら

まとめ

・顧客の引き抜きなどしなくても、名前だけ覚えておいてもらえれば検索して探してもらえる。

・退職が決まった位で仕事の手を抜くようでは、独立開業は難しい。最後まで手を抜かずにいることが重要。

・どの業界も狭いもの。同業者に冷たくすれば、いずれそれは自分に返ってくる。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました