こんにちは!赤羽です。
レンタルサロンsimpleと上井草すまいる鍼灸整骨院を運営している鍼灸師・柔整師です。
今回は「整体師になりたい」と考えている方に向けて書きます。
私は鍼灸師と柔道整復師という国家資格を持っています。
その立場から見た整体という仕事について、正直にお伝えします。
ここはかなりグレーなところなので、正直に書いている記事は少ないと思います。
はっきり言って、書きにくい内容です。
整体師に資格はいりません
まず事実からお伝えします。
整体師になるために必要な国家資格等はありません。
どんな素人でも明日から「整体師です」と名乗って、施術料をいただいて仕事を始めることができます。
法律上、それを止めるものはありません。
「本当に?」と思いますよね。
信じられないと思います。
でも本当なんです。
世の中には多くの施術系の国家資格があります。
鍼灸師も柔道整復師もあん摩マッサージ指圧師、理学療法士、作業療法士などはそれぞれ国家資格が必要です。
専門学校や大学でしっかり学び、国家試験に合格しなければ名乗れません。
でも整体師にはその制度がありません。
各資格について詳しくはこちらのブログをご確認ください。

高額なセミナーは必要ありません
ここで絶対に知っておいてほしいことがあります。
「整体師になるには資格が必要」
そう言って、数十万円から数百万円の講座を売っている団体があります。
民間資格に法的な効力はありません。
- 〇〇整体協会認定
- △△療法士
- ××セラピスト
世の中には無数の民間資格があります。
資格自体が悪いわけではありません。
でも「それがないと施術ができない」というわけではないという事を知っておいてください。
もちろん、しっかりした技術を教えてくれる講座もあります。
この施術を絶対に身につけたいと決めて学ぶこと自体は、一切否定しません。
でも「資格がないと仕事ができない」という前提で高額な契約を迫ってくるところには気をつけてください。
特にSNSやネット広告で出てくる所には怪しい所が多いです。
ご注意ください。
理学療法士も作業療法士も、独立するなら整体師
意外に思われるかもしれませんが、こんな現実があります。
理学療法士(PT)や作業療法士(OT)は国家資格です。
3年以上養成校に通い、国家試験に合格しています。
でもこの資格には開業権がありません。
医師の指示のもとでリハビリテーションを行う資格なので、単独で開業して施術所を持つことができないのです。
だから独立したPT・OTの多くは、整体院やコンディショニングサロンという形で開業します。
資格を持っていても、看板は整体になるわけです。
同様に国家資格である柔道整復師も、整体院として開業する場合があります。
接骨院・整骨院として開業するには保健所への登録が必要なので、それを避けて整体院として開業しているのです。
私は柔道整復師として整骨院を経営していますが、整体師を名乗ることもあります。
その方がわかりやすいので(笑)
資格がいらないからこそ、高い技術が必要
ここからが本題です。
資格がいらないということは、誰でも参入できるということです。
つまり技術や知識の差が、そのまま評価の差になります。
国家資格者には最低限の担保があります。
3年間の教育と国家試験を通過したという事実です。
技術のレベルはさておき、解剖学も生理学も病理学も学んでいます。
整体師にはそれがありません。
だからこそ、資格者以上の知識と技術を身につける必要があります。
- 解剖学の知識
- 身体の仕組みの理解
- 触診の技術
- 禁忌の判断
どれも独学で学べます。
本もあります。
youtubeでもいい動画がたくさんあります。
実技を教えてくれる場もあります。
問題は全てが自分次第だということです。
学ばなくても名乗れてしまう。
技術や知識がなくても始められてしまう。
だから自分で律するしかありません。
解剖学と生理学はしっかり学びましょう。
オススメの解剖学書籍
初学者が解剖学を学ぶにはプロメテウスがオススメです。

「いきなり高い本は厳しい。もっと手軽なところから」という人には、こちらがオススメです。

そして本格的に筋肉について学ぶならこちらがオススメです。
体表から触った時の筋肉を解剖学的にしっかり学ぶことができます。

オススメの生理学書籍
生理学も画像で見ることで頭に入りやすくなるので、イラストが多めのものがオススメです。

また生理学はストーリーで覚えるのもオススメです。
生理学を学んでいくと、「Aが活動するとBが発生し、その結果、CとDに変化が出る」みたいなことがあることに気づきます。
そのつながりを学ぶには、ストーリーで全体をイメージできるようにしておくのもいいので、漫画もオススメです。

始めないと始まらない
ここまで読んで、真面目な人ほど「たくさん勉強しなきゃ」と思ったのではないでしょうか?
その気持はとても大切です。
でも準備ばかりしていても何も動きません。
勉強や練習、準備は大切ですが、一番大切なのは動き出すことです。
ある程度の準備が整ったら、スタートしましょう。
逆に「俺なら大丈夫だ」と思った人や、勉強の必要さを微塵も感じなかった人は、少し立ち止まったほうが良いかもしれません。
適当な気持ちで始めても、長くは続かないでしょう。
大切なのはバランスです。
準備だけでもダメ。
勢いだけでもダメ。
ちょうどいいバランス・タイミングを見つけて始めましょう。
医療ではありません。リラクゼーションです
そして最も大切なことをお伝えします。
整体は医療ではありません。
これを絶対に忘れないでください。
医療行為ができるのは医師です。
国家資格を持つ鍼灸師や柔道整復師にも、それぞれ法律で定められた範囲があります。
整体師にできるのは、癒すことです。
- 気持ちよく触ってくれる
- 疲れを和らげてくれる
- リラックスしてくれる
- 心地よさをもらえる
- 安心できる時間を得られる
- 癒された気持ちになれる
それぞれお客さんにとって十分に価値のある仕事です。
痛みをとることや機能を回復することは資格者に任せて、整体師として自分の提供できるサービスを提供しましょう。
人に必要とされる仕事はとてもやりがいのある仕事です。
人を楽にする・気持ちよくする。これも大切な仕事ですよね。
でもそれは医療とは違います。
繰り返しになりますが、絶対に忘れてはいけません。
使ってはいけない表現があります
だから、使ってはいけない言葉があります。
- 「治ります」
- 「治療します」
- 「症状が改善します」
- 「効果があります」
これらは医療的な効果を約束する表現です。
整体院がこうした表現を使うと、医療と誤認させることになります。
ちなみに柔整師や鍼灸師、あマ指師など開業権のある業種でもこの表現は使えません。
クリニックでも「治ります」や「効果がある」は使えません。
景品表示法や医療広告に関わる問題にもなりかねません。
何より、お客様に過剰な期待をさせてしまいます。
次の機会を奪うことにもつながりますし、人間としての信頼を失ってしまいます。
できないことは、できないと言う
これが整体師として最も重要な姿勢だと思っています。
整体院にも明らかに医療機関を受診すべき人が来ることがあります。
- あきらかな痛みがある
- しびれがある
- 急激な症状
- 日常生活に支障のある症状がある
- 明らかに症状の改善を求めている
こういうケースでは、施術をせずに適切な所に行くことを勧めてください。
確かにせっかく来てもらったんだから、なんとかしてあげたいという気持ちになるのもわかります。
でも、できないものは「できない」と絶対に伝えてください。
その正直さが未来の信頼につながります。
もちろん売上のために施術するなんてことは絶対にいけません。
その人の健康とその後の人生、そしてあなたの信頼を損なう可能性があります。
「私のできる範囲を超えています。この場合は〇〇や△△に行った方がいいです」
そう言える整体師が、本当に信頼される整体師です。
私の経験
昔、ある人が私の鍼灸院に来ました。
股関節の痛みで2年以上歩くのも辛いということでした。
ざっくりその方の情報は
- ある大手整体チェーンに2年間通っていた
- 2年通ったけど全然回復しない
- 回数券を買わされ続けてきた
- 予約もなかば強制的にさせられていた
- 経済的にも厳しくなったので、他を探すことにした
という感じでした。
もちろん私の鍼灸院のほうがそのチェーン店よりは高いのですが、「この悩みが解決できるなら」という思いで来てくれました。
結果、数回の施術でその悩みは解決しました。
期間にして2週間もかかりませんでした。
私がスゴイという話をしたいのではありません。
範囲を超えた期待をさせて、目の前の売上だけしか見ていない整体師や整体院、整体院チェーンが実際に存在するという話です。
あなたはそんな整体師には絶対にならないでください。
それでも整体師は素晴らしい仕事です
ここまで厳しいことを書きましたが、整体師は素晴らしい仕事だと思っています。
- 目の前の人を楽にできる
- 心地よさを提供できる
- 「ありがとう」と言ってもらえる
資格の有無に関わらず、これは価値がある仕事だと思います。
私は鍼灸師として仕事をしていますが、資格があるから偉いとは全く思っていません。
大切なのは、目の前の人にどれだけ価値を提供できるかです。
そこに資格は関係ありません。
私の整体師に対する本音
ここまでしっかり読んでくれた方には伝わっていると思いますが、私自身の本音は
「整体師という仕事は価値がある。でも信頼を裏切るような整体師もいる。だから信頼できる整体師が増えてほしい」
ということです。
まとめ
・整体師になるために国家資格は不要
・高額な民間資格の講座は不要
・理学療法士・作業療法士も開業権がないため、独立時は整体師になることが多い
・資格がいらないからこそ、資格者以上の知識と技術が必要
・整体は医療ではなくリラクゼーション。癒す仕事
・「治る」「効果」などの表現は使わない
・できないことは、できないと正直に言う
・信頼を大切にして、顧客と自分を裏切らないこと
資格がないことは、参入しやすさというメリットです。
でも同時に、自分で自分を律しなければならないという責任も伴います。
その覚悟がある方には、ぜひ挑戦してほしいと思っています。


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