こんにちは!赤羽です。
セルフブランディングシリーズの続きです。
ここまで
- 安売りしない
- ブランド資産とブランド負債
という話をしてきましたが、今回はさらに一歩踏み込んで、なぜ高い方が売れるのかという話をします。
まだ読んでいない方は、それらと合わせて読んでください。
「高いから売れない」は思い込みかもしれない
開業したばかりの治療家が最初にぶつかる壁が価格設定です。
- 「高いと来てもらえないんじゃないか」
- 「開業したばかりだから安くていいや」
- 「安くしてとりあえず来てもらおう」
こう考える人がほとんどです。
でも、ちょっと待ってください。
売れないのは、「高いから来ない」ではなく、
「高い理由がしっかり伝わっていないから来ない」のかもしれません。
そして場合によっては、高いから売れるという現象も発生します。
大事なことなので、もう一度言います。
「高いから売れる」
これは現実に起こっていることです。
「高い=良い」という心理
世界的なベストセラー「影響力の武器」(ロバート・B・チャルディーニ著)に、こんな話が出てきます。

売れないアクセサリーが売れた理由
ある宝石店でどうしても売れないターコイズのアクセサリーがありました。
店主は値引きを指示するつもりで、割引率をメモに書いてスタッフに渡しました。
しかしスタッフが「×1/2」と書いてあるものを、「×2」と読み間違えてしまいました。
スタッフはそのターコイズの値段を2倍にしてしまったのです。
5,000円で売れなかったから、半額の2,500円にしようと店主は思っていたのに、10,000円にしてしまったということですね。
それでは売れるわけないと思いますよね。
しかし結果は全く違いました。
そのアクセサリーが飛ぶように売れたのです。
最初の価格では売れなかったのに、高くした途端に売れたのはなぜでしょうか?
これは「高い=価値がある」という、人間の無意識の思い込みが働いた典型例です。
- 「高いから良いものだろう」
- 「この商品には高い理由があるのだろう」
- 「高い物を所有したい」
これは私たちが日常的に使っている、思考の近道のひとつです。
カチッ、サー理論
著者はこの思考の近道を、「カチッ、サー」と名付けています。
カチッとスイッチが入ったら、サーと行動するということです。
この言葉は七面鳥の母親の行動から名付けられました。
七面鳥の母親は「ピーピー」という鳴き声を聞くと、自動的に子育て行動をとります。
鳴き声さえすればそこに置いてあるのが天敵のイタチのぬいぐるみだとしても、世話をしようとするほどです。
コレは人間にも当てはまる行動です。
高い価格を見たら、「高いものはいいもの」というスイッチが入ります。
逆に言うと安いものを見たら、「安いから質は高くないだろう」というスイッチが入ります。
たとえば2つの飲食店が並んでいたとします。
- A店 食べ放題、飲み放題 1,980円
- B店 コース料理 18,000円〜
この2つの店があったら、どちらが質の高い料理を提供していそうですか?
食材や料理の内容については何も書いていませんが、多くの人はB店の方がいい食事ができそうだと思うのではないでしょうか?
安売りをすることで、この「高い=良い」という心理を自ら手放してしまっているのです。
売上を上げたいなら、金持ちを狙え
もう一つ重要なことをお伝えします。
売上を本気で上げたいなら、お金を持っている人をターゲットにする必要があります。
これは当たり前のことのように聞こえますが、意外とできていない治療家が多いです。
お金持ちの方には、ある程度共通した特徴があります。
雑多な場所を好まない。
- 整然としていない
- ごちゃごちゃとした空間
- 安っぽい内装
- 割引クーポンが雑多に置いてある
こういった環境は、ある程度お金を持っている方には「自分の行くべき場所ではない」と感じさせてしまいます。
逆に言えば、
- 院の雰囲気
- 価格帯
- 発信内容が整っている
それらだけで、「ここは自分にふさわしい場所だ」と感じてもらえるのです。
「自分を大切にしてくれそう」な場所を選ぶ
お金を持っている方が治療院を選ぶとき、最も重視するのは価格ではありません。
大切な自分の身体を任せるのだから、3,000円だろうが10,000円だろうが関係ありません。
選ぶ理由は、
- 自分のことをしっかり対応してくれそうか?
- 丁寧に扱ってもらえそうか?
- この先生は信頼できそうか?
こういった基準です。
そしてここが重要なのですが、価格はその信頼の指標になっているのです。
施術が10,000円だということは、「それだけの価値を提供できる自信がある」というメッセージになります。
逆に3,000円という価格は、「手軽に来てください」というメッセージになります。
価格は数字である前に、あなたからのメッセージなのです。
安いという理由で、良い顧客に避けられている
ここが最も見落とされているポイントです。
「安くして多くの人に来てもらおう」と考えがちですが、実は安くすることで、良い顧客から避けられてしまっています。
このことについては前回のブログでも詳しく書いてあります。

本当に価値のある施術を求めている方は、価格が安い院に対して違和感を覚えます。
つまりリピートしてくれて、口コミを広げてくれて、クレームも言わない優良な患者さんほど離れていってしまいます。
- なぜこんなに安いんだろう?
- 何か問題があるのかな?
- 自分が行くべき場所ではないかも・・・
こう感じて、検討リストから外れてしまうのです。
安売りは集客のつもりが、最も来てほしい人を遠ざける行為になっているのです。
価格で来る人より、価値で来る人に来てもらう
「影響力の武器」では、権威という原理も紹介されています。
人は権威のあるものに従う傾向があります。
治療家にとっての権威とは何か?
資格や経験はもちろんですが、価格もその一つです。
「あそこは高いから、それだけの腕があるんだろう」
この認識が、価値で選んでくれる患者さんを引き寄せます。
価格で来る人は、より安い院が現れた瞬間に去っていきます。
価値で来る人は、多少価格が上がっても通い続けてくれます。
どちらの患者さんに来てほしいかは、言うまでもありませんよね。
まとめ
「安くすれば売れる」は間違いです。
少なくとも、長期的に良い経営を続けていくためには、正しくありません。
- 高い価格は「良い」という心理的シグナルになる
- お金を持っている人は、雑多な場所・安い場所を好まない
- 良い患者さんほど、自分を大切にしてくれる場所を選ぶ
- 安いことで、最も来てほしい顧客から避けられてしまう
- 価格ではなく価値で選んでもらえる院を目指す
私の院のキャッチコピーは「ちょっと高いが、すごく効く」です。
開業から14年間、このコンセプトを守り続けてきました。
売れたのは安くしたからではありません。
高くしたから売れたのです。
そして、技術があったから高くしたのではありません。
高くしたから技術が上がってきたのです。
この話はまた次回に。

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