こんにちは赤羽です。
上井草すまいる鍼灸整骨院とレンタルサロンsimpleを経営しています。
このnoteでは、治療家(鍼灸師・柔整師・あマ指師・PT・OT・整体師など)の収入アップや独立開業に役立つ内容を発信しています。
今回は「戦略」の話です。
戦略というと難しく聞こえるかもしれません。
でも、今回お話しするランチェスター戦略は、知っているかどうかで開業後の生き残りやすさが大きく変わります。
私は2012年に上井草すまいる鍼灸整骨院を開業しました。
そのとき、この戦略をもとに院の作り方を考えました。
14年続けてこられたのは、この考え方があったからだと思っています。
ランチェスター戦略とは
ランチェスター戦略は、もともとビジネスの話ではありません。
第一次世界大戦の頃、イギリスの航空工学者フレデリック・ランチェスターが導き出した「戦闘の法則」が始まりです。
文字通り戦争で使うために考え出された戦略です。
この法則が、のちにビジネスに応用されました。
「小さな軍が大きな軍に負けないための戦い方」が、「小さな会社が大企業に負けないための戦い方」に置き換えられたということです。
治療院に当てはめれば、「個人の治療院(治療家)が、大手チェーンに負けないための戦い方」です。
ここで大事なのは勝つことではなく、負けないこと、生き残ることです。
勝とうとしないというのは少し弱気な気もしますが、生き残ることを優先するのは当然のことです。
1回勝っても、その後滅びてしまっては意味がありませんよね。
より詳しく知りたい方はこちらの書籍で


強者と弱者の違い
ランチェスター戦略では、「強者」と「弱者」をはっきり分けて考えます。
強者の目安は、その市場で1位で、シェアが26.1%以上あることです。
それ以外は、すべて弱者です。
地域で人気の治療院でも、地域の患者さんの4人に1人以上が通っているほどでなければ、弱者になります。
つまり、ほとんどの個人治療院は弱者です。
もちろん、私の院も弱者です。
弱者であることは、恥ずかしいことではありません。
問題なのは、自分が弱者だと気づかずに、強者と同じ戦い方をしてしまうことです。
弱者が強者の戦い方をすると負ける
ここに、多くの治療家が陥りやすい落とし穴があります。
大きな治療院で働いてきた人が独立すると、それまでいた院のやり方をそのまま真似しようとします。
そりゃそうですよね。今まで実際にうまくいっていた経験があれば、それを利用するのは当たり前だと思います。
グループ治療院で雇われ院長を経験していた人ほど、この傾向が強いようだと私は思います。
でも、大きな院がうまくいっているのは、長い年月をかけて積み上げた信頼、資金力、知名度、人材があるからです。
それを持たない個人の院が同じやり方をしても、小さな劣化版にしかなりません。
強者の戦い方は
- 広い範囲
- 多方面に対応
- 物量作戦
です。
広告を広い範囲にたくさん出し、物量で押し切ります。
大手チェーンの戦い方です。
逆に弱者の戦い方は
- 狭い範囲
- 一点集中
- 近い距離感
です。
力を一か所に集中させ、強者が入ってこない場所で戦います。
大手と戦うのではなく、大手が入ってこない場所を見つけ、戦わずしてそこを手に入れるのです。
弱者の5つの戦い方
ランチェスター戦略には、弱者のための戦い方が5つあります。
今回は概要だけ紹介して、次回から一つずつ詳しく書いていきます。
①局地戦
大手が来ない、狭い範囲で戦います。
治療院なら、大きな駅や繁華街、駅前一等地などではなく、大手が出店しない地域を選びます。
大手は大きな駅の駅前に出店しても問題ありません。
高い家賃を支払い、人件費がかかっても、多くの人を集めて売上を上げていけばいいだけです。
でも小さい治療院で、その作戦は取れません。
小さい治療院がその土俵で勝負しようとしたら、あっという間に沈んでいきます。
②一騎打ち
数で勝負しないことです。
来院者数やgoogleマップの口コミ数では大手の方が圧倒的に有利です。
そこで戦っては勝てるわけがありません。
大手が「いつでも行けば、誰かが対応してくれる」が売りなら、
小さい治療院は「完全予約制で院長だけが施術」を売りにすれば、数の勝負ではなくなります。
「誰でもいいからすぐ対応してくれる」より、「信頼できる院長が対応してくれる」という強みは、大手にはつくれません。
③接近戦
患者さん一人ひとりと、直接の関係をつくります。
広い範囲に向けた広告ではなく、施術中の会話や個別の対応で距離を縮めます。
オンラインでもただ一方的に情報を発信するのではなく、双方向に対応できるようにするのが良いでしょう。
SNSなどもただ発信するのではなく、交流の場として使うなら大手とは違う戦い方になります。
④一点集中
強みを一つに絞ります。
大手は「何でもそろっている」が売りですが、
小さな治療院は「これなら負けない」を売りにしましょう。
私は「ちょっと高いがすごく効く」をキャッチコピーにして、オリジナルの鍼灸治療を売りにしています。
これは大手ではできないことです。
また「やらないこと」を決めるのも、一点集中の一つです。
⑤陽動戦
小さいからこその身軽さで、素早く動きます。
大きな組織は、何かを変えるにも会議や他の人への説得、連絡などに時間がかかります。
個人の院なら、朝決めたことをその日のうちに始められます。
午前に来た患者さんが不便そうだったから、午後からはそれを中止するなんてことはしょっちゅうあります。
「予約が空いているから、この時間に〇〇をしよう」みたいなことができるのも小さな治療院の強みですよね。
上井草すまいる鍼灸整骨院は、この戦略で作りました
私の院は、開業のときから弱者の戦い方を前提に設計しています。
- 小さな駅の、住宅街に近い場所(局地戦)
- 完全予約制、院長一人で施術(一騎打ち)
- 患者さん一人ひとりと個別対応(接近戦)
- 高単価で、深部の筋肉へのアプローチに特化した施術(一点集中)
- 思いついた改善は、翌日から実行(陽動戦)
大手に正面から挑んだわけではありません。
来院者数や売上高で比べたら、圧倒的な差がでています。
でも、私が開業してからの14年で、数多くの大手が出店しても私は生き残っています。
逆に私の治療院の周辺で、大きな整骨院や鍼灸院はいくつも閉店してしまいました。
私は勝っていませんが、生き残ったのです。
難しいことは何もしていません。
大手が来ない場所で、大手には使えない方法で戦ってきただけです。
もう一つ大事にしてきたのが、固定費を小さくすることです。
広告費はほぼかけず、家賃も抑えています。
固定費が小さければ、売上がそれほど大きくなくても院を続けられます。
身軽でいられることも、弱者にとっては大事な武器です。
こうした積み重ねで、ワンオペでも月商100万円超を10年以上続けることができました。
私がランチェスター戦略を知ったのは、開業のほんのちょっと前です。
もしこのランチェスター戦略を知らずに、大手のやり方だけを使って開業していたらと思うととても怖くなります。
知り合いの治療家でも、大手の真似をして苦しくなっていく人もたくさん見てきました。
最初は患者さんが来ても、資金力・物量の差がじわじわとでてきて、疲れ果ててしまう。
技術はあるのに、戦い方を間違えてしまったのです。
そういう治療家を一人でも減らしたいと思って、こうして記事を書いています。
あなたの院は、知らないうちに強者の戦い方をしていないでしょうか。
一度立ち止まって、振り返ってみてください。
まとめ
- ランチェスター戦略は、弱者が強者に負けないための戦い方
- 大事なのは勝つことではなく、生き残ること
- 強者の目安はシェア26.1%以上の1位。ほとんどの個人治療院は弱者
- 弱者が強者の真似をしても、小さな劣化版にしかならない
- 弱者の戦い方は「局地戦・一騎打ち・接近戦・一点集中・陽動戦」の5つ
- 固定費を小さくして身軽でいることも、弱者の武器
大手が来ない場所で、大手には使えない方法で戦う。
それだけで、小さな治療院は十分に生き残れます。
次回からは、5つの戦い方を一つずつ、私の院での実例とあわせて紹介していきます。




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